ちょっと列車で１日散歩＜流氷とＳＬの旅＞

長くて厳しい北海道の冬。
その北海道の冬を象徴するのが、オホーツク海に押し寄せる流氷である。
広大な海に浮かぶ流氷が、どんなものなのか直接見てみたいと思った。

特急「オホーツク流氷号」

朝７時５５分、札幌駅の３番ホームには既に、網走行き特急「オホーツク流氷」号が入線していた。レインボーカラーに塗られたその車両は、通常「ノースレインボー」と呼ばれ、リゾート列車として全道各地を走っている。

全車ハイデッカー仕様の車両は、４号車のみ自由席で、他は指定席である。３号車はダブルデッカー（２階建て）となっていて、１階にはラウンジと売店が設けられており、くつろぎのスペースとなっている。
リゾート列車のため、観光客が多いだろうと思っていたが、平日の為か意外にもスーツ姿のサラリーマンが多かった。８時２分、快晴の空の下列車はゆっくりと走り出した。

しばらく車窓を見ていると車内放送で、遠軽で入荷する「かに飯」の予約を受け付けると案内が聞こえてきた。１個９００円と少し高めだったが、昼食をどうしようと考えていた私は、早速予約する事にした。
丸瀬布を過ぎると、窓の外は先ほどの天気とは一転して吹雪模様になっていた。流氷を見に行くのだから、寒いのは構わないが雪だけは勘弁してほしかった。
車内は、既にかなり席が埋まっていた。ラウンジでくつろぐ人も多く、ウィスキーやコーヒーを飲みながら景色を楽しんでいるようだった。

列車は定刻どおり遠軽に到着。天気は晴れたり曇ったりの、落ち着かない様子が続いていた。遠軽を発車後、ラウンジに「かに飯」を取りにいくと、すでに数人の人が行列を作っていた。ラウンジで早速紐をほどいている人もいた。私も自分の席に持ち帰り、紐をほどく事に。「遠軽名物」と書かれた蓋をあけると、ご飯の上には一面に蟹が散りばめられていた。ちょうど良い塩味でおいしかった。
北見を過ぎる頃、天気もだいぶ回復しはじめ、網走に着く頃には晴々とした良い天気になっていた。

オホーツク海に一番近い駅「北浜」

１３時１８分、網走駅到着。網走からは列車を乗り換えて、北浜駅に行く。私は通常の旅行スタイルから流氷観光スタイル(何だそれ)に着替えをする事にした。上下のスキーウェアを着て、長靴(特長の)を履き、手袋を装着。完全なる防寒スタイルである。北浜へは流氷ノロッコで行く事が出来る。流氷ノロッコ号は網走から、知床斜里までのオホーツク海沿いを時速３０ｋｍ位でゆっくり走る臨時列車で、１日２往復している。車内からは流氷はもちろん、運が良ければ白鳥も見る事が出来る。私は着替えを終えるとすぐ列車に乗り込んだ。

北浜まではおよそ２０分。網走を出発してまもなく左手の方に流氷が見えてきた。北浜駅はオホーツク海に一番近い駅で、流氷観光に人気の場所だ。無人駅なのだが、駅舎の中には｢停車場｣という軽食喫茶がある。北浜駅で列車を降りると、徒歩３０秒の近さのところに流氷があった。線路を渡るともうそこは流氷に覆われたオホーツク海である。海岸に立つと海から吹く冷たい風が顔面に突き刺さる様だった。帽子と耳あてを持ってくれば良かったと思っても後のまつりである。

波打ち際の氷は黒ずんでいたものの遠くのものは真っ白く、人が乗っても沈まない様な大きさだった。流氷の上に乗ってみたい気もしたのだが、もしもの事を考えやめる事にした（氷の下に落ちても誰も気付いてくれなそうだったし）。真っ青な空の下に真っ白な流氷というコントラストが、何とも言えない景色を作り出していた。

手袋は履いていたが、３０分くらいたつと手も冷たくなってきたので、とりあえず駅舎の中へ。駅舎の壁には、ここへ来た記念だろうか、使い終わった定期券や会社の名刺、プリクラなどなどいろんな物が所狭しと、隙間なく貼られていた。道外から来た人のものが目立って多かった。貼ってあるものを一通り見た後、「停車場」に入り、一服をした。落ち着いた雰囲気の店内は、多分列車で使われていたと思われる椅子も使われていた。１人の私はカウンタに座りもう一度店内を見てみると、わずかだが店内の壁にも名刺などが貼られていた。流氷の景色を見ながら、ケーキと紅茶で帰りの列車が来るまでのひとときを過ごした。

流氷砕氷船「オーロラ２」

１５:４０分網走駅に戻る。流氷砕氷船のサンライトクルーズまでは少し時間があったので、私はタクシーで今日泊るホテルに向かった。「まさしく流氷観光！！」という格好で乗った為、タクシーの運転手に観光客とすぐにばれてしまった。気のいい運転手さんで、「お客さんどちらから？」などと定番の会話を交わした後、私を能取岬へ誘ってくれた。岬から見る流氷は高い位置から見られる為、砕氷船から見る物とはまた違った感じに見え、絶景という話だった。私がこれから砕氷船に乗るというと、「朝でもきれいだよ。明日の朝はどう？」と聞いてきた。明日の朝は特に何もなかったので、迎えに来てもらう事にした。

ホテルに着くと、タクシーに待っててもらいチェックインをすぐに済ませた後、砕氷船の乗り場へと向かった。乗り場に着くともう既にたくさんの観光客が行列を作っていた。会話を聞いていると、どうやら中国か台湾辺りから来た人らしい。さっそく私も乗船手続きをしてその行列に混ざった。列の入口のところでは、１個５００円で望遠鏡の貸し出しをしていたので、私も１つ借りる事にした。（保証料として+２５００円取られるが、これは望遠鏡を返す時に返してもらえる。）

港には「オーロラ」と「オーロラ２」の２隻の船が止まっていた。どちらの船に乗ってもいいのだが、私は「オーロラ２」に乗船した。中は思っていたより立派で、コーヒーショップなどもあった。船首部分には特別席も用意されていて、３５０円を払えば誰でも座る事が出来る。ただし、前もっての予約は受け付けていないので、早い者勝ちである。もちろん自由席もある。

１６時３０分過ぎ、ドラの音が鳴り網走港を出港した。夕日が落ち、晴れ渡った空も薄暗くなり掛けていた。甲板に出てみると、厚さが３０センチもあるような流氷の板を、船首に付けられたドリルが「ドーン！！ドーン！！」とすごい迫力のある音を立てながら割っていた。遥か遠くまで敷き詰められた流氷は、まるで雪原の様にも見え、遠くに目をやると夕闇に染まった網走の市街地が、流氷の海に浮かんでいた。しばし時間の経つのを忘れ、この景色を眺めていた。運が良ければ流氷に乗っているアザラシが見えるというので、望遠鏡で探して見たがそれらしき動物は見えなかった。しばらくすると中国人らしき女の子が、写真を撮ってほしいと身振り手振りで言ってきたので、流氷をバックに１枚撮ってあげ、私もその女の子に自分のカメラを渡し１枚撮ってもらった。

海の風は強烈に冷たく３０分もすると、手が悴んできた。船の中に入り売店を眺めていると、「流氷アイスクリーム」（名前間違っているかも･･･）を見つけてしまった。ご当地物に弱い私は、寒いのを忘れ思わず買ってしまった。自分の席に戻り、アイスをほお張りながら外の景色を楽しんだ。長い様に思っていた１時間もあっという間に過ぎ、船は網走港に近づいていた。網走港の周辺では私の行った翌日から流氷まつりが行われるらしく、たくさんの雪像や氷像が船の帰りを迎えてくれた。私はさっきの運転手さんのタクシーでホテルへ戻り、１日目の行程を終えた。

特急「オホーツク流氷号」
	朝７時５５分、札幌駅の３番ホームには既に、網走行き特急「オホーツク流氷」号が入線していた。レインボーカラーに塗られたその車両は、通常「ノースレインボー」と呼ばれ、リゾート列車として全道各地を走っている。全車ハイデッカー仕様の車両は、４号車のみ自由席で、他は指定席である。３号車はダブルデッカー（２階建て）となっていて、１階にはラウンジと売店が設けられており、くつろぎのスペースとなっている。リゾート列車のため、観光客が多いだろうと思っていたが、平日の為か意外にもスーツ姿のサラリーマンが多かった。８時２分、快晴の空の下列車はゆっくりと走り出した。しばらく車窓を見ていると車内放送で、遠軽で入荷する「かに飯」の予約を受け付けると案内が聞こえてきた。１個９００円と少し高めだったが、昼食をどうしようと考えていた私は、早速予約する事にした。丸瀬布を過ぎると、窓の外は先ほどの天気とは一転して吹雪模様になっていた。流氷を見に行くのだから、寒いのは構わないが雪だけは勘弁してほしかった。車内は、既にかなり席が埋まっていた。ラウンジでくつろぐ人も多く、ウィスキーやコーヒーを飲みながら景色を楽しんでいるようだった。列車は定刻どおり遠軽に到着。天気は晴れたり曇ったりの、落ち着かない様子が続いていた。遠軽を発車後、ラウンジに「かに飯」を取りにいくと、すでに数人の人が行列を作っていた。ラウンジで早速紐をほどいている人もいた。私も自分の席に持ち帰り、紐をほどく事に。「遠軽名物」と書かれた蓋をあけると、ご飯の上には一面に蟹が散りばめられていた。ちょうど良い塩味でおいしかった。北見を過ぎる頃、天気もだいぶ回復しはじめ、網走に着く頃には晴々とした良い天気になっていた。

オホーツク海に一番近い駅「北浜」
１３時１８分、網走駅到着。網走からは列車を乗り換えて、北浜駅に行く。私は通常の旅行スタイルから流氷観光スタイル(何だそれ)に着替えをする事にした。上下のスキーウェアを着て、長靴(特長の)を履き、手袋を装着。完全なる防寒スタイルである。北浜へは流氷ノロッコで行く事が出来る。流氷ノロッコ号は網走から、知床斜里までのオホーツク海沿いを時速３０ｋｍ位でゆっくり走る臨時列車で、１日２往復している。車内からは流氷はもちろん、運が良ければ白鳥も見る事が出来る。私は着替えを終えるとすぐ列車に乗り込んだ。北浜まではおよそ２０分。網走を出発してまもなく左手の方に流氷が見えてきた。北浜駅はオホーツク海に一番近い駅で、流氷観光に人気の場所だ。無人駅なのだが、駅舎の中には｢停車場｣という軽食喫茶がある。北浜駅で列車を降りると、徒歩３０秒の近さのところに流氷があった。線路を渡るともうそこは流氷に覆われたオホーツク海である。海岸に立つと海から吹く冷たい風が顔面に突き刺さる様だった。帽子と耳あてを持ってくれば良かったと思っても後のまつりである。波打ち際の氷は黒ずんでいたものの遠くのものは真っ白く、人が乗っても沈まない様な大きさだった。流氷の上に乗ってみたい気もしたのだが、もしもの事を考えやめる事にした（氷の下に落ちても誰も気付いてくれなそうだったし）。真っ青な空の下に真っ白な流氷というコントラストが、何とも言えない景色を作り出していた。手袋は履いていたが、３０分くらいたつと手も冷たくなってきたので、とりあえず駅舎の中へ。駅舎の壁には、ここへ来た記念だろうか、使い終わった定期券や会社の名刺、プリクラなどなどいろんな物が所狭しと、隙間なく貼られていた。道外から来た人のものが目立って多かった。貼ってあるものを一通り見た後、「停車場」に入り、一服をした。落ち着いた雰囲気の店内は、多分列車で使われていたと思われる椅子も使われていた。１人の私はカウンタに座りもう一度店内を見てみると、わずかだが店内の壁にも名刺などが貼られていた。流氷の景色を見ながら、ケーキと紅茶で帰りの列車が来るまでのひとときを過ごした。

流氷砕氷船「オーロラ２」
	１５:４０分網走駅に戻る。流氷砕氷船のサンライトクルーズまでは少し時間があったので、私はタクシーで今日泊るホテルに向かった。「まさしく流氷観光！！」という格好で乗った為、タクシーの運転手に観光客とすぐにばれてしまった。気のいい運転手さんで、「お客さんどちらから？」などと定番の会話を交わした後、私を能取岬へ誘ってくれた。岬から見る流氷は高い位置から見られる為、砕氷船から見る物とはまた違った感じに見え、絶景という話だった。私がこれから砕氷船に乗るというと、「朝でもきれいだよ。明日の朝はどう？」と聞いてきた。明日の朝は特に何もなかったので、迎えに来てもらう事にした。ホテルに着くと、タクシーに待っててもらいチェックインをすぐに済ませた後、砕氷船の乗り場へと向かった。乗り場に着くともう既にたくさんの観光客が行列を作っていた。会話を聞いていると、どうやら中国か台湾辺りから来た人らしい。さっそく私も乗船手続きをしてその行列に混ざった。列の入口のところでは、１個５００円で望遠鏡の貸し出しをしていたので、私も１つ借りる事にした。（保証料として+２５００円取られるが、これは望遠鏡を返す時に返してもらえる。）港には「オーロラ」と「オーロラ２」の２隻の船が止まっていた。どちらの船に乗ってもいいのだが、私は「オーロラ２」に乗船した。中は思っていたより立派で、コーヒーショップなどもあった。船首部分には特別席も用意されていて、３５０円を払えば誰でも座る事が出来る。ただし、前もっての予約は受け付けていないので、早い者勝ちである。もちろん自由席もある。１６時３０分過ぎ、ドラの音が鳴り網走港を出港した。夕日が落ち、晴れ渡った空も薄暗くなり掛けていた。甲板に出てみると、厚さが３０センチもあるような流氷の板を、船首に付けられたドリルが「ドーン！！ドーン！！」とすごい迫力のある音を立てながら割っていた。遥か遠くまで敷き詰められた流氷は、まるで雪原の様にも見え、遠くに目をやると夕闇に染まった網走の市街地が、流氷の海に浮かんでいた。しばし時間の経つのを忘れ、この景色を眺めていた。運が良ければ流氷に乗っているアザラシが見えるというので、望遠鏡で探して見たがそれらしき動物は見えなかった。しばらくすると中国人らしき女の子が、写真を撮ってほしいと身振り手振りで言ってきたので、流氷をバックに１枚撮ってあげ、私もその女の子に自分のカメラを渡し１枚撮ってもらった。海の風は強烈に冷たく３０分もすると、手が悴んできた。船の中に入り売店を眺めていると、「流氷アイスクリーム」（名前間違っているかも･･･）を見つけてしまった。ご当地物に弱い私は、寒いのを忘れ思わず買ってしまった。自分の席に戻り、アイスをほお張りながら外の景色を楽しんだ。長い様に思っていた１時間もあっという間に過ぎ、船は網走港に近づいていた。網走港の周辺では私の行った翌日から流氷まつりが行われるらしく、たくさんの雪像や氷像が船の帰りを迎えてくれた。私はさっきの運転手さんのタクシーでホテルへ戻り、１日目の行程を終えた。