北海道の短い夏。残り少なくなった夏の1日をＳＬに乗って楽しむことにした。
・＜出発＞

札幌駅。今日、私はここで少し迷っていた。 本当は今日、道南の馬産地で有名な静内に行き、観光バスで馬を見てこようと思っていた。 が、今日は平日。観光バスは土日しか運行していない為、静内に行ってもこの観光バスには乗れない。 自分で見て歩いても良いのだが、結局あきらめるて予定を変更する事にした。 とは言うものの、どこに行こうか決め兼ねていた。 自分の出身地の小樽も良いのだが、少し近すぎる。 夏休み中の私としては、もう少し旅行気分が味わえるところが良かった。 そんなこんなで、いろいろ迷った結果、ＳＬに乗ると決心。 みどりの窓口で「ＳＬすずらんフリーきっぷ」を買い、特急スーパーホワイトアローに乗り込んだ。 特急スーパーホワイトアローは、札幌と北海道の北の中心地”旭川”を1時間20分で結ぶ、ビジネスマンご愛用の列車だ。 この日もスーツ姿のビジネスマンで、車内は大変混み合っていた。 私は朝食であるハンバーガーを口にしながら、旭川の1つ前深川を目指した。

・＜深川駅−ＳＬ「すずらん号」−＞

深川に着くと既にＳＬ「すずらん」号がホームに到着していた。 夏休みの為か家族連れの人たちが、たくさんＳＬの周りに集まっていた。 ＳＬ「すずらん」号を牽引するのは、「Ｃ１１−１７１」。 標茶町の公園に静態保存されていたＳＬを、ＮＨＫの朝の連続ドラマ小説「すずらん」に合せて、修理復元したものだ。 運行されるのは今年が２年目で、深川から「ずずらん」の舞台となった「明日萌（あいもい）」こと恵比島を通り、留萠まで行く。 客車はかつてブルートレインで使用されていた２４系（？）を改造した車両が使われてる。 列車中ほどに連結されている、カフェカーは旧型客車を改造した車両が使われていた。 また最後尾（留萠発は先頭車）には緩急車が連結されており、走行中はＳＬの生の走り姿も見る事が出来る。 車掌やカフェカーのウェイターは昔の制服を着ており、雰囲気を醸し出していた。 座席は全席指定席だが、快速列車の扱いなので、指定席料金の他に普通運賃だけで乗車できる。 私も指定された席へ行くと、銭函から来たというおばあちゃんとそのお孫さんが、すでにお弁当を広げていた。 １０時４８分、ＳＬは汽笛を鳴らし、ゆっくりとホームを後にした。

・＜明日萌（あしもい）＞

明日萌は前に説明した通り、ドラマ・映画「すずらん」のロケ地となったところで、 ロケの終わった今でも、観光用としてロケセットがそのまま保存展示してある。 ＳＬ「すずらん」号はここでおよそ３０分停車するので、じっくりそのロケセットを見学する事が出来る。 駅は、駅長室や萌が一日中お母さんを待った待合室がそのまま残されている。 駅名などを書いた看板などもそのままになっている為、記念写真を撮っている人も大勢いた。 駅前には萌の家や、映画に出てくる「中村旅館」があり、中村旅館は中も見学できるようになっている。 （中村旅館は、一応ロケの”セット”なので宿泊は出来ません！！念のため・・・） また、駅前の通りにはロケの建物を利用した、お土産やさんが並んでいる。 絵葉書などＳＬやドラマ「すずらん」にちなんだお土産の他、地元の特産品なども置いてあり、観光客がお土産に頭を悩ませていました。 汽笛が３回ポーッ、ポーッ、ポーッと鳴り響くと、外を見学していた乗客が駆け足で戻ってきた。